意外に難しい事業計画策定支援。

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こんにちは。

皆様は「事業計画の策定」を支援することはできるでしょうか?

「できますか?」って聞かれたら、大半の中小企業診断士が「はい、できます。」と答えるのではないでしょうか。

ですが、本当の意味で事業計画の策定を支援できる人って多くはないのです。

そもそも事業計画策定を支援すると言うのは・・・?

事業計画を策定をする上で大事なことは、なんのための事業計画を作るのかと言う点です。
つまり事業計画を策定する”目的”です。

例えば

  • 役員や従業員と会社の方向性を共有したい
  • 金融機関からお金を借りるために会社のことを説明したい
  • ベンチャーキャピタルからお金をひっぱりたい
  • 事業の問題点を抽出して成功の確率を高めたい
  • 補助金や助成金等の中小企業向け施策を活用したい…などなど

そして、それぞれの目的ごとに作らなければならない事業計画のポイントも変わります。

  • 会社の方向性を共有したい
     → 「社長の考え」がわかりやすい計画なのか
  • 金融機関からお金を借りるため
     → 借りたお金を「返済できる計画」なのか
  • ベンチャーキャピタルからお金をひっぱりたい
     → 出資の出口戦略・成長戦略は見せられているか
  • 事業の問題点を抽出して成功の確率を高めたい
     → 「マーケットを把握した計画」なのか
  • 補助金や助成金等の中小企業向け施策を活用したい
     → 「政策意図にあった計画」なのか

そうすると、事業計画の策定を支援するにあたっては、まずは事業計画を立てる目的をしっかりと確認しなければなりません。
目的の確認ができていなければ、どんな事業計画を作ればいいのかイメージすることもできないからです。
ですから、我々が事業計画の策定を支援する際は、まずはヒアリングをしてなんのための事業計画を作るのかをすり合わせるところからスタートとなります。

目的が「なんとなく必要かと思って・・・」の場合

私は、公的機関で専門家派遣をコーディネートする仕事もしており、公的機関の窓口に相談に来た事業者さんの経営課題に最適な専門家を選ぶ立場にもいます。

相談の内容の中に「事業計画を作りたい。」という相談も多いのです。
こういう時、まずは「何のためですか?」というヒアリングからスタートします。

この時「経営革新計画を取りたいから」「金融機関から融資を受けたいから」「補助金の申請をしたいから」など、明確な目的を言ってもらえれば支援は簡単です。
それぞれ事業計画を作るためのフォーマットはあるので、それを紹介・説明して次回までに書いてきてもらえばいいのです。
また、こうした相談であれば派遣専門家もゴールが見えているので、スムーズに支援をしてくれることが多いです。
経営革新計画の策定支援であれば、新規事業のテーマが経営革新の土俵に乗るか、計画書の内容が審査に通る内容になっているか・・・などをしっかり見ていただけています。

しかし、事業計画を作りたい目的が「人から言われて・・・」「周りの社長から事業計画を作らないと経営者失格だと言われて・・・」というような場合があります。
つまりとにかく事業計画を作りたい!という目的だということです。
もちろん、こうした場合でも社長の心にある計画策定の目的はヒアリングします。
「今後の経営を考えるため」「人をいつのタイミングで雇えるのかをシミュレーションしたい」など、経営者のそれぞれの想いは何かしらあります。
ただし、何か具体的な活用方法があるわけではないことが多く、このフォーマットで計画を作りましょう!という決まったものがないため、支援の進め方が難しいのです。

というのが、こうした相談の際、専門家派遣を使って支援することが多いのですが、専門家登録している多くの中小企業診断士自身が0から事業計画書を作った経験がないため、決まったフォーマットを提示できず、ネットで適当にもってきた事業計画書のフォーマットを紹介して作成しようとするため、付け焼き刃的なものになってしまうことが多いのです。
やはりフォーマットを使っていく以上、教える側が一度は使ったことのあるフォーマットを使わないとアドバイスの内容も表面的なものになりがちです。
できあがった計画書の内容をあとから読んでみると「うーん・・・」ってなるものが多いです。

という経験を個人的にしたので「事業計画を作りたい!」という相談を受けた時、どの中小企業診断士にお願いしようか、、、と迷うことが多いのです。

自分なりのフォーマットを作っておこう!

こういうとき、汎用的な事業計画のフォーマットを持っていてくれると、そのフォーマットに沿って支援してもらうことができるので、お願いがしやすくなります。

相談に来る事業者さんは、事業計画を作ろうと思ってはいるものの、そもそも何をどう書けばいいのかわからない・・・という方が大半です。
その中で、ベースになるものを提示して支援していくのと、ない中で支援していくのでは、1回1回の支援の質に大きく影響してきます。

個人的にはベースになるもの、つまりフォーマットを持って支援してくださる方は安心してお願いできるし、そうでない方はやや不安の中でお願いするという感じになっています。
私自身も事業計画を作りたい!という事業者さんから相談を受けた時は、ひとまずフォーマットを提示して、「こんな感じで必要な項目について1つ1つ考えてきてください。」というアドバイスをして、一緒に事業計画作りをしています。
事業の形態・規模・内容などによって多少項目は変わってくると思います。
そうした時は、その場で臨機応変にフォーマットに項目を追加したり・削除したりして、その会社にあった事業計画を作っていきます。
中小企業診断士として事業計画策定の支援はできます!というのであれば、いざというときに備えて、汎用的な事業計画書のフォーマットは作っておいて損はないと思います。

まとめ

事業計画策定の支援。
これは中小企業診断士の最もベーシックな支援内容だと思います。
でも蓋を開けてみれば、その支援内容の奥は深く、本当の意味で支援できる専門家は少ないです。
これから独立しようと考えている方は、こうしたベーシックな支援をまずはしっかり身につけたいところです。
そうすることで、より専門性の高い支援にステップアップすることができるからです。

そのために、まずは自分なりの事業計画のフォーマットを持っておくことをおススメいたします。
そして、一度は自分自身の事業計画を作ってみることをおススメいたします。
まだ独立していない方も、独立するつもりのない方も、中小企業診断士として仕事をしていくならば・・・という前提で作ってみてはいかがでしょうか。

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中小企業診断士・マーケティングプロデューサー 2012年04月に中小企業診断士登録、2013年04月に独立。2014年10月に株式会社コムラッドファームジャパンを設立し代表取締役に就任。 会社経営に加えコンサルタントとして中小企業の売上アップを支援するとともに、稼げる中小企業診断士の育成に力を入れる。TACにて中小企業診断士講座の専任講師も担当している。個人ブログ「神保町で働く中小企業診断士&社長のブログ」も更新中!

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