お客様にモノやサービスを買ってもらうために、販促のための色々な施策を行います。
チラシを配ったり、メルマガを出したり、営業訪問をしたり・・・・
実際に取りうる施策はたくさんあります。
いずれの施策も意味のあるものです。
でも、ちょっとしたことを知っておかないと、どんな施策も意味のないものになってしまいます。
この記事の目次
すべての施策は、顧客の〇〇状態を変化させるもの
我々コンサルタントは、お客様からの売上をあげたいという相談に対して販促活動をアドバイスします。
「このターゲットを狙うならメルマガがお勧めです」
「あのターゲットならFAX-DMですよね」
・・・etc
コンサルタントの経験と実績に基づいていろいろな施策を検討するわけですが、この時マーケティング的視点で忘れてはいけない視点があります。
それは・・・
「すべての施策は、顧客の心理状態を変化させるものでないといけない」
ということです。
この心理状態のことを「パーセプション」といったりします。
「パーセプション」とは「知覚。理解。認識。」といったもので、その商品やサービスに対して顧客がもつ認識のことで、購買意欲を決める要因といわれているものです。
個人的にはこのパーセプションを「(購買に関する)心理状態」と置き換えて考えています。
目指すべきは「この商品・サービスを買おう!」という心理状態
マーケティングにおける心理状態とは何かというと、ゴールは「この商品・サービスを買おう!」という心理状態を作ることです。
(注釈)
# LTVを高めるという視点に立つと、ゴールはもっと先になります。
# 「この会社が好き!」「この会社の提供するものは信頼できるからまた買いたい!」とか。
# とはいえ、ここではまずは顧客化するということをゴールとします。
施策を通じて最終的に「この商品・サービスを買おう!」という心理状態になってもらわないといけないのですが、実際に心理状態と施策を考えるにあたり注意点が2つあります
- 施策を実施する前と実施する後で心理状態が定義されてないといけない
- 一足飛びにいくとは限らない
施策を実施する前と実施する後で心理状態が定義されてないといけない
前述のとおり、施策とは顧客の心理状態を変化させるものになります。
変化ですから、施策の実施前と実施後でその心理状態が定義されていないといけません。
弊社の実務従事サービスを例にするとこんなイメージです。
施策として中小企業診断士試験合格者向けにWebサイトを作って実務従事の情報発信をするのは、そもそも実務補習に出れないけど実務ポイントがほしいという悩みに対して、実務従事という方法もあるのか!と知ってもらうことが目的になります。
いい方を変えると、「実務補習に出れないけど実務ポイントがほしい」という心理状態の人を「実務従事という方法もあるのか!」という心理状態に変化してもらうために、Webサイトを作って情報発信の施策を実施します。
このように、すべての施策は顧客の心理状態を変化させていくことを意識しないといけません。
一足飛びにいくとは限らない
何度も何度もいいますが、施策を行うことで見込顧客に「この商品・サービスを買おう!」という心理状態になってもらうことがゴールです。
しかし、「この商品・サービスを買おう!」という心理状態には一足飛びに行くとは限りません。
こんな顧客心理の変化を起こすことはできるでしょうか。
まだCFJのことも知らない人がいきなり弊社の実務従事サービスに申し込もうとはならないでしょう。
正直、最終的に申し込もう!となるにはいくつかの心理状態のステップを踏むはずです。
例えば、こんな感じです。
このようにまずは心理状態の変化を想定し整理して、そしてそれぞれの変化を起こすためにどのような施策を行うのかを考えていくわけです。
ステップバイステップで考える
これまた弊社の実務従事サービスをもとに、具体的な顧客の心理状態の変化と施策をみてみましょう。
例えばこんな感じでしょうか。
最終的に申し込んでもらうまでにステップを踏み、そのステップごとに施策を入れ込んで顧客の心理状態を変化させています。
よく「チラシを配っても全然効果がない・・・」「Web広告を出しても成果が全然でない」といった悩みを聞きますが、これは実施している施策と変化させたい心理状態が一致していないからです。
例えば施策実施前の心理状態を「美容室を今通っているところから変えたい」とし、施策実施後の心理状態を「よしABC美容室に行こう!」としましょう。
このような変化させることはできるでしょうか。
例えば、これを起こすための施策が「Web広告で自店舗の広告」とした場合、実現することはできるでしょうか。
もちろん、打ち出すメッセージによってこのような心理変化を起こすことはできます。
が、もっとステップを踏んで心理変化を起こした方が効率的かもしれません。
心理変化がうまくいけばその施策は効果が出るし、うまくいかなければ効果はでません。
そこを意識せずにやると、結果的にやっても成果が出ない・・・という話になってしまいますし、コンサルタントとして何を改善すればいいのかのアドバイスをすることもできないのです。
そのため、具体的な施策を考えるにあたっては顧客の心理状態の変化の仮説を立て、そこからそのための施策を考えているというステップを取ることが重要です。
また、顧客の心理状態はできるだけ細かく刻んで定義するほうが、より効果的な施策を検討しやすくなります。
まとめ
今日はマーケティングにおける施策の意味を説明いたしました。
すべての施策は顧客の心理状態を変化を起こさせなければいけません。
その変化を起こしていないのであれば、その施策は失敗です。
しかし、そもそも心理状態の変化を定義せずに施策を行っていることも多く、成功も失敗も評価できていない人が多いです。
最終的に売れたかどうかでしか評価していないということです。
直接的な売上にたどり着いていなくても想定通りの心理状態の変化を起こせればその施策は成功です。
しかし、やはり最終的には売上につながらないと意味はないので、まずは顧客の心理状態の遷移を定義した上で、「買いたい!」と思ってもらうまでの一連の施策を検討していくことが重要です。
この考え方は、売上アップの支援に役立つのはもちろん、中小企業診断士が独立してお客様を獲得するための自分たちの施策を考えるうえでもけっこう使えますよ。
平阪 靖規
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