私の思い出シリーズ

「実務補習はふたを開くまで分からない」~実務補習の思い出:hanamaru様

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先輩診断士たちに実務補習の思い出を語ってもらう企画。
今回は「hanamaru」様からいただきました。

まずは自己紹介

これから私の実務補習での経験や思い出をお話したいと思います。
とその前に、私の自己紹介をさせていただきたいと思います。
診断士試験は2018年に合格し、実務補習等を経て2019年4月に資格登録をしました。
いわゆる「平成最後の診断士」となるわけです。

資格の勉強を始めてから約7年の月日が過ぎ、多年度生としてようやく合格を掴み取ったタイプの人間です。
7年もこの勉強と向き合っていると、モチベーションの維持がすごく大変です。
私がモチベーションを保つ方法としてよくやっていたのが、「試験合格後のイメージ(妄想)をすること」でした。
ですので、試験に合格すればすぐに資格がもらえるわけではなく、「実務補習」というものをする必要がある、ということは、受験生時代から知っていることでした。
5日間コースと15日コースがあり、いずれにしても15ポイントを取得しなければ資格がもらえない、そういう最低限の知識を持った中での試験合格、というのが、まずは私の基礎データ、ということになります。

流されるがままに受けた実務補習

さていざ合格が決まると、色々な情報が入ってきました。
その中でも実務補習に関する情報と言えば、「申込みが殺到して大変だ」ということです。
募集が開始されると、1時間ほどで枠が埋まってしまい、次の機会を待つか、遠方で開催される実務補習に申し込むしかない、といった内容でした。
合格後すぐにでも資格を登録したいと思っていた私にとって、募集枠内に納まることは絶対に外せない要件であったため、申込開始前後の時間は業務調整を事前にして空けておいたほどです。
結果、無事5日コースに申し込むことができました。

15日コースを選ばなかった理由

しかし、登録を急ぐのであれば5日コースではなく15日コースを申し込むべきでは、と思われることと思います。
その理由は以下です。

  • 実務補習の指導員と合わない場合、15日間も一緒にいることは苦痛でリスクでしかない
  • 同様に、メンバーで合わない人がいれば二重苦と味わうことになる

そして次が最大の理由ですが、7年間の受験期間で調べていた、資格登録要件のもう一つが大きく関わります。
それは、
実務補習ではなく実務従事でもポイントとなりうる
ことです。

実務補習は多くの診断士合格者が受けるものであり、その経験なく資格を取得した場合に、私には「知らないこと」が生まれてしまいます。
つまり、「実務補習ってどんなの?」を知らないまま診断士になることになります。
無知は罪、という言葉があるように、それは避けたかったので5日コースは受け、残りの10ポイントは実務従事で獲得することを、受験生時代から妄想していた、というわけです。

実務補習期間の過ごし方は指導員次第

さて、5日コースが始まる10日ほど前でしょうか。
指導員の先生からメールが送られてきました。その内容は、
・診断先に関する情報
のみでした。

他の合格者からの情報では、
・自身の担当(リーダーや財務など)の希望を聞かれた
みたいなことだったので、私の場合は実務補習が始まった当日に聞かれるのかな、などと思いを巡らしていました。

いざ5日コースが始まると、指導員の方から思いもよらぬ言葉を掛けられました。
それは、
「私の場合は最初に担当を決めません。最初の3日間はみなで意見を出し合い、3日目に担当を決めます」
といった内容でした。

さすがに場が進まないこともありリーダーだけは最初に決めましたが、その他のパートは本当に3日目が終了するまで決めずに進んでいきました。
3日目終了後はそれぞれの診断報告書を作成するために5日ほど日数があり、その後最後の2日へと進んでいくのですが、その間の1週間はほぼ睡眠時間が2~3時間程度しか確保できず、久々に自分自身を追い込んだ期間だったと思います。

最後の診断報告会で重要とされたのは、「プレゼン」です。
どんなに優れた報告書を作成しても、経営者の行動を促せないと意味がない、という指導員の信念の基、4日目の後半から5日目の診断報告会が始まる直前まで、何度もプレゼンの練習を行いプレゼン精度を高めていきました。

私が知る限り、

  • 担当決めを最初に行わず
  • プレゼンを重視する

という実務補習は他に聞いたことがありません。
つまり、指導員の方の方向性や進め方に、実務補習は大きく依存するということが、お分かりいただけると思います。

実務補習その後

指導員の方、そしてメンバーの方とそこそこヘビーで濃い10日間を過ごしましたので、絆がとても深まりました。
定期的に飲み会を開催し、その後の診断士活動についての報告や今後の生き方みたいなことも共有しています。
また、協会で活動しているとどんな場面でもメンバーの誰かはいる、みたいな状況になりますので、臆すことなく様々な活動に飛び込んでいくことができます。

これから実務補習を受ける方へ

実務補習を受ける目的は、実践を積むことや診断士の仲間を作ることなど様々あるかもしれませんが、誰しも共通の1番目の目的は「資格を登録するため」だと思います。
この第1の目的に照らし合わせたとき、実務補習を受けるという手段は絶対要件でも排他的要件でもなく、あくまで手段のひとつに過ぎません。
実務補習で5日コースを受けた場合、あと10ポイント分「も」他の手段を使うことができます。
様々な企業・機関が実務従事サービスを行っていますので、比較検討し受講することで仲間や視野の「幅」を持つことができます。

特に実務補習は自分がどのような診断先に当たるが、実務補習開始の直前まで分かりませんし、選ぶことももちろんできません。
その点、実務従事サービスの中には診断先の業種や診断内容があらかじめ分かる場合もあります。
今後自分が取り組んでいこうと考えている業種が診断対象となれば、その経験が生かせる可能性が高くなります。
資格登録には絶対実務補習が必要だと決め付けず、様々な方法がある中で自分に合った組み合わせを選ぶことも大切なのではないでしょうか。

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