私の思い出シリーズ

「私の実務補習の思い出」~実務補習の思い出:たんせき様

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先輩診断士たちに実務補習の思い出を語ってもらう企画。
今回は「たんせき」様からいただきました。

実務補習への道のり

わたしは2018年度の二次試験に合格し、2019年12月に登録しました。関西在住です。
二次試験の合格発表の前日に胆石で入院、合格発表はベッドの上で確認しました。
点滴をしていたので、合格の喜びを派手に示すこともできませんでしたし、頭の中は口頭試験どうしようと不安しかなかったことをよく覚えています。
先生に無理を言って前日に退院し、なんとか口頭試験を合格したのも今となっては良い思い出です。

とはいうものの、2月に胆嚢摘出で再入院が決まっており、2019年2月からの実務補習に参加することができませんでした。
7,8,9月の実務補習で登録要件を満たすのだと強い意志を持って、申込日を迎えたのですが、なにせ初めての経験で入力が遅れ、インターネットからの大阪の応募は締め切られてしまいました。
東京、名古屋、大阪とは違い、広島開催は人数制限がないので9月分を応募し、8月の大阪分を郵送で応募しなんとか受講することができました。(8月大阪、9月広島)

また、CFJの実務従事をネットで見つけ、10月に終了すれば年内の登録が可能だとわかり、すぐに申し込みました。
そして、もともと登録後開業を考えていたので、実務補習、実務従事に専念するためもあり、7月末に会社をやめてしまいました。
ちなみに、知人の会社を支援してポイントを稼ぐという方法は、全く頭の中にありませんでした。

8月実務補習の思い出(大阪)

8月の実務補習先は大手の弁当・仕出し製造業者さまでした。
あとで考えると、実務補習で伺う会社としては非常に大きく、大変珍しい経験をできたのだと思います。
実務補習の先生から準備のメールを貰った直後に、メンバーの一人が事前に顔合わせをしたいと申し出てくれました。
数日後、居酒屋で全員集まり、自己紹介のあと、お客様について、弁当について知っていること考えてきたことを話し合いました。
また、ヒアリングの前に弁当を食べておかなければという強い信念のもと、1時間かけてお客様の地元に行き、お弁当を買い家に持って帰って食べてみました。

「あれ、弁当ってこんなに美味しかったっけ?」

スーパーやコンビニの弁当(これも美味しいのですが)に慣らされていたわたしは非常に大きな衝撃を受けました。
そして、なんて楽しい補習先を引き当てたのだろうと自分の運の良さに感謝しました。

実務補習の場合、全体戦略、営業、財務、生産、人事等担当パート分けをして診断を進めます。
わたしは全体戦略兼リーダーを引き受けることとなりました。
初めての実務補習のため、どうするかさっぱりわかりません。
仕方がないので、実務補習経験者を頼りに、ファシリテーターに徹して会議を進めていきました。
診断を進める上で特に大きなトラブルはありませんでした。
リーダーとしてファシリテートした感想は「なんて楽!!」。
流石にあの根性の悪いよく考えられた二次試験をくぐり抜けてきた歴戦の強者達、議論はロジカル、発想は豊富、メンバーへの気遣いもでき、その上積極的に発言してくれる。
ファシリテーターとしてはまったく気遣いも工夫もなくスムーズに進行できました。
あまりにも手応えがないので、メンバーに以前の実務補習の思い出を聞いたところ、全くうまくいかなかったケースを教えてくれ、良いメンバーと仕事ができてラッキーだったと思いました。

大阪、広島ともに実務補習では、会場にプロジェクタが用意されていませんでした。(これは全国共通かもしれない)
作業の効率性が悪いので、前から欲しかったモバイルプロジェクタ(QUMI Q38)を購入し、実戦投入しました。
まわりのチームからずるいと言われましたので、来年から持ち込み禁止になるかもしれません。
大阪会場はwifiが準備されていて非常に良かったです。広島はなかった…..。

お客様からは
「弁当屋への提案というと俺はこんな弁当が好きだみたいなものになりがちなんだけど、そこに陥らずに顧客接点の作り方等を誠実にしてもらえてよかった」
と評価していただきました。
実は事前に居酒屋で新メニュー開発論議をして、素人が考えつくようなことは、お客様は当然考えているという結論に全員で達していたのです。
事前に居酒屋で集まっておいてよかったと本当に思いました。

9月実務補習の思い出(広島)

9月の広島は住宅用玄関ドアの製造業者さまでした。
国産材を使ったドアに特長がある技術のしっかりした会社です。
広島では3チーム編成で、1チームが広島県内の受講者中心、1チームが岡山県内、もう1チームが関西、四国、山陰から集まったメンバーで外様組です。
オリエンテーションで「遠くから来たひとはなぜ前泊しないんだ、昨年は広島豪雨の次の日でも実務補習をした」とかチクチク嫌味を言われ、いまいち雰囲気の悪い中のスタートだったことを覚えています。
また人数は、大阪は5名、今回の広島は4名でした。
人数が少ないからひとりあたりの負担が大きいかと思いましたが、そんなことはなく和気あいあいと楽しくすすめることができました。
こちらのチームも何もトラブルがなく、ヒアリング内容の分析結果をもとに粛々と提案内容をまとめていくという作業をすすめていきました。
本当にスムーズに進んだので、実務補習を見ていただいた先生が非常にユニークなかただったこと、今日はお好み焼き、明日はつけ麺と広島の名物料理をみんなで食べ歩いたこと、商店街を歩く中で、玄関ドアの仕様が気になるようになっていったことなど、楽しい思い出しか残っていません。

2回の実務補習を通じて、社長ヒアリングをして、分析をして、課題を定義して提案を書き上げるという実務補習の型を身につけることができました。
2回とも、ヒアリングが終わったときはこの内容で何を提案すればいいのだろうと途方にくれたものの、みんなで分析しアイデア出しをしていくと課題が見えてくるという経験をすることができました。
短い時間の中でも成果が出せるのは、やっぱり中小企業診断士試験を合格してきたメンバーなんだなあと思います。
ただ、短い時間で提案を作成していくので、一つ一つの提案内容にレベルのブレがあり、すごく考えられたもの、アイデアレベルのもの玉石混交状態となってしまいます。
実務補習の先生がたも個別の提案までの指導はあまりされないので、良い改善策を考えるスキルは身につかないのかもしれないと思いました。
その点は10月に受講したCFJの実務従事サービスのほうが優れていると思いました。

実務補習、実務従事の両方を受講した感想

わたしは2回実務補習、1回実務従事で資格登録をしました。
実務補習の型を知ることは他の中小企業診断士の方と共通の体験をし、共通言語を持つ意味で非常に重要だと思います。
実務従事、特にCFJの実務従事は実際のコンサルタントの目線を学び、質の高い提案の作り方を学ぶ良い機会でした。
どちらもそれぞれの良さがあるので、ミックスして受講すると良いのではないかと思います。

ただ、有償実務従事サービスは東京中心のため、地方のかたが受けづらいのが課題かと思います。
わたしは次の実務補習まで登録をまちたくなかったので、東京での実務従事を選びましたが、企業内診断士であればなかなか難しいでしょうね。
東京、広島への移動へはJTBとJR東海の新幹線パックを使っていました。
失業中で2000円をケチるため何回こだまにのったか、それもいい思い出です。

これから実務補習、実務従事を受講する人の役に立つのかどうかわかりませんが、以上が「私の実務補習の思い出」です。

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